屋敷に戻るとニコニコした陽乃が
文を手に持ち近づく


「高潔様から文が届いてございます!」


「ありがとう」


開いてみると




〝京に来るのを楽しみにしている〟



との内容に



「嘘だろ… 兄上まで…」



読み進めると




高潔も京にいて、御所の警護をしている



〝会いたい〟




と、書いてあった







「平助様、安斐様からも遣いが参りまして
京に行っても、頑張れ!との伝言を
承ってございます!」



「俺、行くって言ってないだろ」



「あら?行かないのですか?」



「そりゃ… 試衛館の皆といたいよ
でも、女だとバレたくないんだ」



「バレなければよいのでしょう?」



「共同生活だぞ!?」



「近くに屋敷を移しましょう!」



「無茶を言うな」



「…実は、募集の話を聞いた者が
平助様は、必ず京行きを決めるから
早めに手を打とうと……支度始めてます!」


「はあ!?」


「今までのように、そばに居れませんから
平助様が私達の屋敷に、怪しまれず
入る訓練をしますよ!
それから、京の道を覚えていただきます!
あと、もう少し忍術も上達していただき
共同生活故、料理もするでしょう!
あと、心配ごとは、ございますか?」



「何もかもだよ!
だいたい!まだ、決心してない!!!」



「兄上様に会えるのですよ?」



「……会いたい」



「そうでしょう!では、支度を進めますので
訓練しつつ、決心なさって下さい!」




「……ハイ」