「平助!良い話があるんだ!」


千葉道場で仲の良い、阿比類鋭三郎が
平助に来いと向かった先は


試衛館だった



「……」



昨日、もう来ないと言った場所に
早くも来てしまった



「こんにちは-!!
護衛募集の話、聞いて来ました!!」


「っ!!!はぁ!?良い話って…それ!?」



集まって来た試衛館の面々が


「平助…気が変わったのか!?」


「え?平助、知り合いか?」


「おや?阿比類君」


「山南さん!!」


「護衛志願者かい?」


「コイツはね」


「お前もだろ!平助!」


「俺は、鋭三郎がついて来いって言うから」


「おう!京まで一緒に行こうぜっ!」


「まてまて!だいたい!ちゃんと説明しろ!
なんで俺を巻き込むんだよ!」


「え?平助なら、行くって言うだろ?」


「お前もかよ!!
なんで、俺が行くって言うと思うんだよ!
行かない!行きたくない!!」


「なんで?」



「……」



「強くなりたいんだろ?
平助にぴったりじゃないか!」


「僕もそう思います!
それに、平助君が一緒なら楽しそうです!
僕、まだ平助君に勝ってないですし
一緒に行きましょうよ!」


沖田が平助に強請る



「平助君 行こう!思想は、関係ないさ!
名目は、将軍警護でも、実際そんなことは
させて貰えない
だがね、京で新しい組織が出来るんだ
町の治安を守るそうだよ
正義感の強い君には、打って付けだよ
僕は、君の道しるべだ
平助君、君を京に連れて行く」



「はあ~ 考えてみる…」






「「「よっしゃあ!!」」」






「考えてみるって言っただけだろ…」








大喜びする皆から、視線を外した















行けるはずがない…




道中どころか、共同生活なんて




いつ女だとバレることか





無理だろ…