薬売りから戻った土方が
皆の前で、平助の顔を見た


「お前、姉か妹いるか?」


「いないよ
兄弟も親もいない」



用意していた答えを言う



「生き別れの妹かなぁ」



ドクン ドクン


強く打つ心臓



「なんだ?今度は、平助に似た女に惚れたのかよ?」



「今度は、ってなんだよ!
例の山の姫さんだよ!
やっと再会出来たんだ!
俺の姉と同じ、のぶって名で
顔が平助にそっくりなんだ」



「で? どこの姫さんだったんだ?」


永倉が興味を示す



「さあな
前も、今回も良い着物着てたし
付き人がいて、輿が迎えにくるような
ちょっと俺には高嶺の花だ
でも、縁があるって確信した
絶対に、また会える!!!」



聞きながら、胸が熱くなるのを感じた




ここにいる

俺だよ



言えるはずもない





「へぇ 平助も綺麗な顔してるけど
コレが女なら、確かに別嬪だろうな」


原田が平助をジロジロと見る



「女顔と言えば、総司だってそうだろ」



平助が、話を沖田へとそらす



「確かに!!総司は、色白で細い!
背が高くなけりゃ間違うな!」


「さり気なく俺の背が低いこと言う?」


「クククッだって、小せぇだろ!!!」


「新八!!勝負しろ!!
滅多打ちにしてやる!!!」


「あーあ、また始まったな」









言えるはずがないんだ

土方さん、貴方が好きだなんて…