まるで反応のない平助だが
手を引っ張ったりすることで
立ったり、座ったり、歩いたりはこなす


その様子を見た

安斐がニヤリと笑う


「全くの廃人という程ではないようだな」


「しかし、食事や睡眠をしません
このままでは…」


「腹減ってないか…眠たくないとか…」


「昨日からですよ!?」


永倉が心配の言葉を口にするが
兄弟達は、至ってケロリとしている



「薬ってのは、そのうち抜けるものだろ?」



「どんな毒か、特定出来ないので
何とも言えません」



「だとしても!
平助が、このままなはずがない!」


「体の自由が効かないだけで
心まで薬に支配されているとは
考えにくいことだ」


「平助は、俺達が鍛えたんだ
大丈夫!必ず、元の元気な平助に戻る!」


「兄上達がこう言ってますから!
大丈夫ですよ!ね!平兄!!!」






時間の許す限り
兄弟で過ごし、平助の周りは賑やかだった







「平助の事、よろしく頼む」










4人に頭を下げられ






「出来る限りの事は、致します」