コクリと頷いて、永倉が話し始める
「平助が井戸で、様子がおかしくなったの覚えているだろ?
あの時、伊東さんを誘うって話しをした後だったんだ」
「……平助様
尊敬していた人に、手篭めにされたことが
あると仰っておりました
それが……伊東さんということですか?」
「そういえば、あの日から
ずっとおかしかったよな!?
なんかさ、江戸に行ったきり
帰ってこないんじゃないかと思うくらい」
「実は……皆に言ってないことがあって
江戸で…平助がしてた表情が、なんつーか
死を覚悟してるような感じでな
宿を飛び出して行って
有助と帰ってきた時には、元に戻ってた
その時、有助が言ってたんだ
『さっきまで死にそうだったのに』って」
「おい……新八」
「気のせいじゃない!
あいつ……あの時と同じ顔してた!」
「平助様は、まだ土方さんが好きなんですね
だから…
慶喜様に身をゆだねたことが辛いのですよ」
「陽乃、あいつ逃げれるんだろ?
総司に会いに来たんだから!!
このまま姫でいたら、あいつ近いうちに
絶対、死のうとする!!!」
「康正様に、おそばにいてもらい
気に掛けて頂きましょう」
「俺は… どれだけ助けて貰ってんだ…」
〝京に連れてきて
怪我させて、伊東さんを誘わせて
伊東さんに脅されてたのに
女とも、死のうとしてたとも
何も気づいてやれなかった〟
「陽乃 康正様に頼んで
世話人にしてもらえ!
お前がそばにいたら、心強いだろ」
「私は、沖田さんの病を治すまで
戻れないんです」
永倉が、拳を震わせ
唇を噛み締めて言った
「平助を死なせたくねぇ…
あいつは、俺の弟なんだ…
杯を交わしたんだ…
俺は… 有助の分も平助を守りたい」
「平助が井戸で、様子がおかしくなったの覚えているだろ?
あの時、伊東さんを誘うって話しをした後だったんだ」
「……平助様
尊敬していた人に、手篭めにされたことが
あると仰っておりました
それが……伊東さんということですか?」
「そういえば、あの日から
ずっとおかしかったよな!?
なんかさ、江戸に行ったきり
帰ってこないんじゃないかと思うくらい」
「実は……皆に言ってないことがあって
江戸で…平助がしてた表情が、なんつーか
死を覚悟してるような感じでな
宿を飛び出して行って
有助と帰ってきた時には、元に戻ってた
その時、有助が言ってたんだ
『さっきまで死にそうだったのに』って」
「おい……新八」
「気のせいじゃない!
あいつ……あの時と同じ顔してた!」
「平助様は、まだ土方さんが好きなんですね
だから…
慶喜様に身をゆだねたことが辛いのですよ」
「陽乃、あいつ逃げれるんだろ?
総司に会いに来たんだから!!
このまま姫でいたら、あいつ近いうちに
絶対、死のうとする!!!」
「康正様に、おそばにいてもらい
気に掛けて頂きましょう」
「俺は… どれだけ助けて貰ってんだ…」
〝京に連れてきて
怪我させて、伊東さんを誘わせて
伊東さんに脅されてたのに
女とも、死のうとしてたとも
何も気づいてやれなかった〟
「陽乃 康正様に頼んで
世話人にしてもらえ!
お前がそばにいたら、心強いだろ」
「私は、沖田さんの病を治すまで
戻れないんです」
永倉が、拳を震わせ
唇を噛み締めて言った
「平助を死なせたくねぇ…
あいつは、俺の弟なんだ…
杯を交わしたんだ…
俺は… 有助の分も平助を守りたい」


