新選組も昼夜交代で、城内の警備にあたることになり



ちょこちょこ平助の姿を見ては
皆で報告し合い



元気なことを確認していた







「なんなんだ!!あの女は!!」






慶喜が平助への不満を口にしながら
廊下を歩く



後を歩く康正が



「姫の言い分も一理ありますよ」


「だから腹立たしいのだ!!!」


「はあ? さようで…」




あまりにも顔を合わせる度に
喧嘩をする2人に、すっかり
疲れていた






そんな仲の悪い2人の婚礼話が出始め
まずは、家定の実子だと公表することから
はじめようという事になったが





「はぁ!?練習!?んなもんいらねぇだろ」





公表をする宴の練習の宴をすることになり





「手の内晒すようなもんじゃねえか」




平助が反対した





結局、慶喜が


「恥をかかないように練習しろ!!
この狼女!!!」



と、言い

日頃の平助の振る舞いを見ていた
家臣達も慶喜の意見に賛成した



家臣達を客に見立て
本番さながら、新選組が警備する




きちんと姫らしく振る舞い
大人しく座っている平助に



「なんだ?普段からそうしておれば
なかなかのいい女に見えるぞ?」



慶喜が笑う



「あなたに誉められても嬉しくありません」



にっこりと笑い返す





すると、女が慶喜に酌をしにきた



「貰おう」


「お待ち下さい
私以外から、酒を貰わないはずでしょう?」


「……嫉妬か?」


「ふふふっ妬くと思います?」



毒入りを心配して止めたのに
思わぬことを言われ、イラッとする



「姫がヤキモチを妬くので、下がってくれ」



女を下がらせ


再び、酒を呑む




その姿を見て

平助が康正を手招きした



「コイツ、酔ってんじゃねぇの?」


「実は、あまり酒が得意ではないんですよ」


「何を話しておる!」



酒をくれと盃を平助に向ける




「慶喜様?まだ、この宴は始まったばかり
少し早呑みしすぎでは?」



平助がにこっと笑い止める