〝やっぱりな…

三木三郎に性別を調べさせてたのか

もっと早く気づいてたら……

いや、たとえ気づいていたとしても



新選組や土方さんの為に



俺は、徳川に戻っただろう〟







「藤堂平助は、死んだことにいたします
なんとお呼びすれば?」




「さあ、なんでもいいよ」






輿に乗り

ゆらゆらと揺れる








〝もう、藤堂平助ではいられない〟









涙が溢れてくる








〝土方さん…〟






「ふっくっううっ」




必死に口に手を当て声を抑える







〝土方さん…〟












二条城に到着すると
泣き腫らした目がバレないよう
俯き歩いた









「この部屋でお過ごし下さい」










与えられた広い部屋にポツンと座る




世話をしにきた女中が布団を敷いたが
その場を動く気にはならなかった