翌日


試衛館へ






「こんにちは!」


「平助君!!よかった!!
昨日、君の家を探したけどわからなくて
もう… 会えないかと…」



山南が慌てて駆け寄ってきた



「俺、藤堂って名乗らずに間借りしてて
居候の身なんだ!どうしたの?」



「どうしたって…」




山南から風呂敷を差し出され
それを受け取り、開いてみる



「軟膏? くっさっ!!臭い!!」


「火傷に効くんだと!!」


永倉が笑う


「何、コレ」


怪しくしおれた草を手に持つ


「薬草だ」


斎藤が言う


「石田散薬」


「俺んちの薬だ」


あー、薬屋だったねと思いつつ
水筒を手に持つ


「土方さんの薬は、酒と飲むと
よく効くんだぜ!!」


原田が胸を張る



皆をぐるりと見回す




「火傷…治ってるのに…」



自分のついた嘘が
こんなに皆を心配させたことを
申し訳なく感じた




「ありがとう!!!」




平助が笑うと全員が笑顔になった