永倉の合図で

平隊士が少しづつ、平助を囲む輪を縮める



「俺を… 捕まえられると思ってる?」



「これだけ囲めば、どうにかなるだろ」



「なめられたもんだ
せめて、抜刀させておくべきだったな」



平助が土方に背を向け
隊士に向かい走る



背の高い男の肩に手と足を掛け

踏み台にして屋根上へ






「絶対、新選組に手出しさせねえから…
信じて…」






そう言って姿を消した








「忘れてた…忍だったな……」






永倉が土方に苦笑いする




「俺の策が甘かった…すまん」












屯所に戻るとバタバタと騒がしかった




「どうした!?」


「沖田組長が… 喀血されたとのことで…」






陽乃の指示で着替えや水汲みなど
隊士がばたついていた








「総司をきちんと療養させる」










その日のうちに近藤の妾宅に移された