「すまない… 平助
どうしたら、許してくれる?
どうしたら…俺を好きになる?」



「何もかも捨てて…
どこか遠くに… 連れて行って…」



伊東が優しく平助の頬を撫でる



「それは、出来ないよ…」



「……うん」








その日から、平助の口数が減り
仕事以外で人と関わらなくなった




「おい、なんかあったのか?」


「ねぇよ」



毛内のことも避けた





〝どうしたって、土方さんへの気持ちが
変わることがない…
俺がふらふらしてるから
伊東さんまで傷つけてる…
わかってても、伊東さんを好きになろうとしても… なんでこんなに……〟








伊東が九州へ行き












しばらく仕事に専念した








九州から帰った伊東が



「会いたかった
思い知ったよ……
俺には、平助しかいない
九州は、凄く良いところだった
逃げるなら……
九州にしよう」




その言葉を聞いて
平助が笑った




「嬉しい…
ありがと…
俺、伊東さんを好きになるよ!」








伊東と平助のやり取りを
鈴木が聞いていた









〝兄貴は、もっと上に行ける…〟