長らく留守にしていた伊東が帰った


久しぶりに伊東に抱かれ
ぼぉーっと天井を見ていると



「平助」



愛おしく優しく包むように呟かれた


初めて呼び捨てにされたことより
その愛情に満ちた声色に驚いた



「なに」



「会いたかったよ」




まじまじと伊東を見る




〝もしも…

伊東さんが俺を好いてくれていたとして

俺が…伊東さんを好きになれば



辛くなくなるのかな…〟









「クスッ平助は、そうでもなさそうだね」




「こういうの… まだ馴染まないから…」




「今日は、俺が先に帰るよ」




「うん」









伊東が部屋を出ると

ポロ


平助の頬を涙が伝う






泣くことを見透され、先に出た
伊東の気遣いにも複雑な気持ちになる