女中を含めた全隊士の健康診断が行われることになった




「平助の火傷の事は、松本医師に伝えてある
心配ない」




土方が言うが、平助は俯いた


伊東が、その姿に気づく



「平助君の診察には、俺と陽乃が付き添う
いいかな?」


目を泳がせた後
平助は、力無く


「はい」


と、返事をした







診察の当日





伊東が陽乃に言う



「平助君の事… 知らないと思って
初見の時に失礼な事をしました
平助君がここに居れるように
お互い協力しよう」


「伊東さんも御存知なのですね
平助様の事でしたら
協力を惜しみません」


そして


いよいよ、1番最後、平助の順番



「追い出されるのかな…」


「大丈夫だよ 俺からまず話をするから」


「平助様 気をしっかり!」




部屋に入り、松本医師に挨拶をする



「酷い火傷とは聞きましたが…
そんなに見せる事に抵抗があるのかい?」



すでに真っ青な平助を挟み
伊東と陽乃が眉をハの字にする



「平助君は、新選組の中でも
5本の指に入る剣豪でございます
しかし… 
火傷とは嘘… 女子にございます
どうか、御内密に願います!」


「私は、医術を学んでおります
平助様の許嫁と偽り、そばにおります
女子の体でありながら、男に劣ることない
素晴らしい働きです」


「松本先生 俺、男でいたいんだ
新選組 組長として…
生きていくと決めたんだ
だから… お願いします
女だということは、内密に!!」



土下座する3人にくすっと笑い



「私は、健康状態を診察に来たんだよ
性別を調べに来たわけではない
それに… 女子と知り、支える者がいるのなら問題ないと思います」



「「「ありがとうございます」」」




「では、着物を脱いで下さい」



襟巻きを外し、着物を脱ぐ


「胸の音も良い、少し痩せすぎだが
筋肉がしっかりついているね
なるほど、男に間違うわけだね
月の物は、順調かな?」


「あったり、なかったり」


「痩せているからねえ
まあ、まだ若いからきちんと栄養とって
太れば大丈夫ですよ!」


「どっちかというと、よく食べるんだけど」


「その分、動くでしょう?」


「はあ…もっと、食べたらいいのか」


「そうです!
では、異常なし!と、いうことで!」



「「「ありがとうございました!!!」」」