次々に届く、悲しい文に
平助が落胆していると



「良いことってのは、続かねぇ
悪いことも、続かねぇ
良いことと悪いことの繰り返しを
上手に経験していくんだ
生きてれば、それだけ得してる
永遠続く命なんざねぇ
後悔だけは、するな!
伝えたかったこと、してあげたかったこと
やりたいこと、残すんじゃねぇぞ!
やり切れよ!!」




「うん…」






隊士募集活動と平行して
隊士の稽古も行っていた



同心から捕り物の手伝いを頼まれ
隊士の実践を兼ねてやってみると


平助の作戦が、あたり


見事な捕り物となり
京の新選組へ褒美が贈られた






「あいつ… 隊士募集やってんのか?
迎えに行く!!!」





土方が、斎藤と江戸へ向かった









土方らが江戸へ到着した日








「よぉーし!明日、京へ向け出立する!
各々、支度をしてくれ!」







朝の稽古を終え、解散し
くるりと振り返る



「土方さん!?一!?」


「ん?鬼と無口か!?」


土方がニヤリと口角を上げる



「お前が有助か…
誰が鬼だと? あ?言ってみろ?」


「毛内有之助です!
土方歳三!鬼の副長!!
って、こいつから聞いた!」


「わっ!俺に罪を被せるな!
拳骨もらっとけ!」


「元気そうじゃねぇか?
そんなに元気なら、文くれぇ書けるんじゃねえのか!?あ?半年も江戸にいて
1回も文をよこさねぇとは何事だ!!
義務って、知ってるか!?あ?」


「あはははははっ鬼だ!鬼だ!!」


「有助…てめぇは、黙ってろ」


「いやいや、ちょっと考えてみろよ
平助が、文とか書くような繊細な奴か?
貰った文は、楽しそうに読んでたけど
新入りの名簿だって、俺が作ってるんだ
筆持ってるより、木刀振ってる方が
平助らしいだろ!」


「…確かに」



ボソッと斎藤が言い
土方も頷いた



「ということで、明日には江戸をたつ
入れ違いにならなくてよかったな!
はっはっはっはっ!!!」



「永倉に聞いていたよりも、騒がしい奴だ」