伊東道場






大蔵を前に、近藤と平助が座る



「お久しぶりです」

「久しぶりだね 平助君」



近藤が新選組へと勧誘する間


心臓がバクバクと音をたてるのを
必死で落ち着かせようとする



「攘夷派の中でも、勤王思想が強い平助君が新選組で活躍している
やって、やれないこともないだろうが
一晩、考えさせて頂こう」


「よろしくお願いします!」


「平助君、今日は新選組の事を聞かせて貰いたい 泊まっていきなさい」


「はい」


「平助 頼んだよ!」


「はい」







近藤を見送ると


大蔵が、平助を部屋に入れる




「新選組の話をします」


「それは、後からでいい」



大蔵が平助の腰に手を回す



「覚悟は、出来ているんだろう?
俺は、君の秘密をバラさない
君は、新選組の為にこの体を俺に…だろ?」


「先生なら、そう言うと思っていました
覚悟は、出来ています
新選組への加入を決断して下さい」


大蔵の唇が、平助の唇に重なる


「嬉しいよ
どんな形でも、もう一度君に触れられる」



大蔵に優しく触れられると
激しく泣きたくなる


何も考えないように








そう、思えば思うほど










〝土方さん…〟













頭に浮かぶ












「目を開けなさい
気をそらさず、俺に集中しろ!」









〝なんで… 女なんだろう…
好きでもない男に抱かせて…
俺… 何してるんだ…〟