平助が、完全に復活した


「平助様」


「陽乃 大丈夫だよ
土方さんにバレてないよ」


「そうですか」


「クスッ 怖い顔」


「だって…」


「大丈夫!でも、気をつけないとな…」


「そうですね」



「なぁ 陽乃は、一が苦手か?」


「え?」


「話してるとこ、みたことないから…」


「無口な方ですし、近寄りがたいとは…」


「そう」


「……あの」





〝平助様は、御存知なのね…
斎藤さんが、会津から雇われたこと
平助様の護衛を仰せつかったこと
やはり…… 平助様は、凄い〟




「言わなくてもいいよ
知らない方が良いこともあるから」




〝きっと、先に京に入った時かな…
俺を見張っている
一は、俺を知っている…〟



「平助様 私も詳しいことはわかりません
ただ、斎藤さんに
『お前も守っているのか?』と
尋ねられ、会津の紋を見せられました」




〝見張り…じゃない? 護衛?〟




「どこまで知っているか…
私が探りましょうか?」



「いい 知りたくない
一を疑うようなことしたくない」



「はい」







〝平助様…
どこか、徳川の息のかからない遠くへ
逃げたいと、私に命じて下さいませんか?
陽乃は、命懸けで平助様を守ります
だから…〟 






平助が、陽乃を抱きしめる




「ごめん…
陽乃を疑ったりしてないから
そんな辛そうな顔すんな」



「/////ちがっ 私は!」



「逃げたりしない
見張られてたとしても
俺は、徳川が嫌いだ
この血が…
でも、諦めたくないんだ
藤堂平助でいることを…」



「はい/////」



「これからも… よろしくな…」



「はい!!! もちろんです!!!」