「新選組!御用改め致す!!
手向かい致すは、斬り捨てる!!」


「新選組だぁー!!神妙にしろ!!」



灯りが消された店内を突き進む



「逃がすか!!」



カシャン カキン キンキーン



刀を夢中で振る




重ね着している熱さで
だんだんと息が上がる



〝土方さんが到着するまで…〟





その一心で、持ち堪え

外で、土方が怒鳴る声が聞こえると





〝もう少し… あと、少し…〟





必死に耐え続け





月明かりで店の中が見えると


「近藤さん!!」



近藤の背後に敵がいて
平助が、店内へ
援護を続け
庭よりも暑い室内で更に汗が流れ


汗で鉢金がずれたところ



ザシュッ




猛烈な熱が額を走った



「平助!!庭に戻っていいぞ!」


平助からの返事がないことに
嫌な予感がした永倉が、もう一度


「平助!!」


大声を上げる



「大丈夫!!新八!!」


「馬鹿!威かすなよ!!」