「もう行かなきゃ」

朝ごはんは基本取らない。

食事はお腹が空いたら食べる、ただそれだけ。

これは昔からだ。

人よりあまり食べない私は、自分の好きな食べ物さえ言えない。

というのも自分自身が偏食だからだ。

返信に困るのだ。

無難にみんなに好かれるような食べ物を言うが。

お菓子さえあれば生きてけるのだ、今だってそうだ。


「行ってきます」


誰もいない部屋に一人、呟いた。

無機質なドアの音が静かに鳴いた。