クールな王子様に今日も恋してます〜この恋キミ限定〜





チャイムが鳴って廊下を歩いていると、急に歩く足をピタッと止めるなっちゃん。



そんな姿を見て私も歩くのを止める。



「…なっちゃん?」



そう訪ねても、なっちゃんから言葉を返ってこなくて、ピクリとも動かずにじっと固まっている。



どうしちゃったんだろう?と頭の中でも不思議に思っているのも束の間。



前から伊月先生が歩いてくるのを知り、なっちゃんが固まっている理由が、すぐに分かった。



ふふ、なっちゃん乙女だなぁ。



「これは及川さんと白咲さん。次の授業に遅滞なく
教室に戻るのですよ」



と棘の無い言葉遣いで話しながら、柔和な切れ長の目で優しく微笑んだ後。



再び職員室の方にへと、また歩いて行った。