良い匂い! 風姉のご飯!!

「おはよ!風姉!」

「おはよ~ご飯出来てるよ」

「やった~」

風姉こと、小沢風花(おざわ ふうか)。

演劇部で、私に演劇を教えてくれた人。

そして両親を早くに亡くした大沢家と小沢家のお母さんみたいな存在。

「兄貴も来てたんだ。おはよ」

「おう。おはよう俺とふぅの態度違いすぎないか?」

「違わない、違わない。」

兄貴こと、大沢嵐(おおざわ あらし)

私の兄。柔道をしている。

「おはよ。兄貴、姉貴。」

「おはよ~」

「おう。おはよう」

「ちょっと!私は!?」

「おぉゴメン。小さすぎて見えなかったわ。」

この憎たらしい奴は、さっき起こしに行ったバカ。

小沢光太(おざわ こうた)。
同じ高校一年で柔道をしている。
…私の好きな人。

「喧嘩してないで早くご飯食べちゃいなよ!部活あるんでしょ!」

ギャーギャー騒いでいると風姉に怒られた。

「「すいませんでした。」」

私たちは謝って即、朝食を10分もしない内に平らげた。

「「行ってきまーす!」」

一年は、準備があるから三年よりも先に学校に行かないといけないんだよねぇ。

「うわヤバい!あいつらに怒られる!おい輝!走るぞ!」

「あ、ちょっと待って!イタッ」

玄関先でずっこけた。

足首捻った…痛い。

立ち上がろうとしたら足が痛くて立ち上がれない。

…どーしよ

「ゴメン。先行ってて。」

光太は、少し考えてからいきなりしゃがんだ。

「ん」

「何?」

いきなりしゃがんで背中向けられたら誰でもは?ってなるよ!

「おぶってやるから早く乗れ。」

「はぁ?」