「一平、いつもの薬を止めろ」



月に二度、木村の所へ行かせていた一平を止める


少し驚いた一平も俺の思いを理解したのか納得したように頷いた


毎日陽菜に服用させていたのはピル

跡継ぎの問題はあるけれど

当分子供なんて要らないと思っていた

その考えを消したのは
愛おしい陽菜の先を見たくなっただけ


まさか
自分がそんな風になるとは
思いもしなかった


毎日、毎日
指一本も動かせなくなる程
陽菜を抱き潰し


思惑通りな変化が訪れたのは

俺の誕生日も近付いた頃だった






誕生日当日

朝から青白い顔をした陽菜を連れて
木村の病院へと出掛けた


「診察以外で変なことしたらぶっ殺す」

分かりやすく嫉妬心を表した俺に


「オイオイ・・・
 そう言うと思って女医も用意した」


木村の表情が強張る


・・・脅してどうする・・・


「そうか」と


腕の中の陽菜を連れて診察室へ入ると


置かれたモニターを覗き込んだ