同級生の真尋の登場で
パンケーキを今ひとつ楽しめないまま屋敷へと戻った

護衛さんからの連絡があったのだろうか

玄関で待ち構えていた碧斗さんは

真尋の名刺を持って
一平さんと出かけてしまった


「奈美さん・・・
 真尋の名刺に何か問題でも?」


深い意味もなく聞いただけだったけれど


「質問は直接組長へ
 聞いてください」


渋い顔をして何度も頭を下げられた

いつも一緒に居る奈美さんは

あくまでも“付き人”としての応対しかしない

分かってはいるけれど
こういう場面で再確認したりする


・・・壁があるんだよね


こればっかりは
碧斗さんにもどうにも出来ない


孤独に慣れようと諦めた私に


紹介されたのは

最近姿を見ていなかった
紅太さんと・・・その彼女?だった


「「はじめまして」」


同時に発した声に
クスッと笑う

そのタイミングが合って

少し親近感がわいた

・・・綺麗な人

紅太さんと並んで座るその女性は

切れ長の目に
ストレートロングの黒髪

ニットのアンサンブルスーツを着た

どことなく碧斗さんと雰囲気が似た人だった