サッと立ち上がると
碧斗さんが口を開くより先に
胸の想いをぶつけた



「私は・・・さっき、何をしてしまったんでしょうか?
 ジョウロを取って貰うことがそんなにいけないことですか?
 それとも借金のカタだから?
 何をするにも全て監視下なのに、それでは足りませんか?
 籠の鳥にしたいのならここに閉じ込めれば良いでしょうっ
 変に優しくしたり期待を持たせるようなことをしないでください
 どうせ借金のカタなんですから!」



フツフツと沸き立つ感情に
言葉がコントロール出来ないままに溢れ出す


そして・・・

頭の中から離れない
残り香のことまで一気に吐き出した


「私以外に借金のカタは何人いるんでしょうか?
 毎晩違う香水の匂いをさせて
 私が気付かないとでも??
 それもやっぱり私が借金のカタだからですか?」



みるみるうちに険しい顔になる碧斗さんは

足音を立てながら目の前まで近付いて

片手を振り上げた

・・・っ、打たれる!


ギュッと目を閉じて肩に力を入れた



「・・・っ」



待っていた衝撃はこなくて

意外にも

降ってきたのは
頭の上にふわりと乗せられた手だった

やがて・・・それが
ゆっくりと頬まで滑ると
首を傾けた碧斗さんの顔が近付いて
おデコに口付けが落とされた


「威勢のいい女は嫌いじゃないが
 ・・・震えてるぞ?」


クスッと鼻で笑うとベッドに押し倒された