“今夜は帰れないから・・・”
碧斗さんがそう言った翌日
目覚めた私は
クタクタの身体に諦めて
結局ベッドの上で大半を過ごしていた
そこへ帰ってきた途端
謝る碧斗に違和感を覚えた
腕の中に囚われて唇を合わせる
角度を変えて
何度も何度も啄むように触れる唇に
なんだか少し嬉しいと思ってしまった
この感情は・・・
頭を過ぎるそれを瞬時に消し去ったのは
鼻につく匂いだった
碧斗さんが動くたびワイシャツが擦れ
いつもの碧斗さんの匂いの中に
微かに感じる少し甘い香り
・・・・・・っ
これは・・・
答えを見つけようとするのを
邪魔するように
深くなる口付けに
翻弄されていった