『もう 、 嫌になっちゃう』



白く 混じりけのない雪がひらひらと舞つもるくらい夜の小さな公園で私一之瀬 菜月は一人ため息をついた。



今日、クリスマスの朝 2年付き合ってきた彼にあっさりと振られたのだ。理由はわからない。“飽きたから”とだけ言われた。



ブランコは雪が積もっていて冷たい。ほかの場所も、座れないから屋根のあるベンチのしたで一人座ってぼぉっとしていた。



『私は …好きなのに』



そう呟いた言葉も誰にも聞こえていなくて。一人、膝に顔を埋めて丸くなった




「お嬢さん 、こんな所でどうしたの」


少し低めの声と 、 フワッもあったかくなった首元に はっと上を見上げれば、とある男の子がたっていた 。その子は 、よく知っている人で



『KiNG'Sの …玲音!?』



最近若手の人気グループ KING'Sのボーカルの
玲音 だった。そんな彼がなんでこんなところにいるの 。そう聞きたくも寒くて声が出なかった



「僕の家、来なよ。凍えちゃうよ?」


ね、っと言いながら左手を前に出す彼は、そっと私の手を握った。



「うわっ、手が冷たいね …」


家への帰り道、彼はずっと私の手を握っていてくれた