陽チャンの背中を押しながら席へ促した。 「女の子はお財布なんて出さないの」 「でも……」 「俺が買いたいんだよ」 「……」 「俺が誘ったんだし、俺に買わせて。ね?」 「…………がと…」 少し、そっぽを向いて陽チャンが呟いた。 その言葉はきっと… 「ありがとう………」 目を伏せながらも、いつもよりも柔らかい表情で、呟いた。