…俺らって、今、この場所では はたから見れば恋人同士に…見えるんだろうか。 「……ん、キャラメル、美味しい…」 そんな声を聞きながら、 バレないようにチラリと横を見た。 その顔は、キャラメルよりも甘く、そして柔らかく微笑んだ彼女の笑みだった。 ……キャラメルでそんなに嬉しそうなんて 意外と可愛いとこあんじゃん。 薄暗い映画館の中で、どうやったらその笑顔が俺に向くのか、なんてずっと考えていたんだ。