「鷲崎くん、聞いてるの??」


外からは部活をしている生徒の元気な声が聞こえてくる中、私は一人の生徒と放課後の教室にいた。


「ん〜っ?香帆ちゃんの声って高過ぎず低すぎずでずっと聞いていたい声だな〜って聞いてたよ?」


「っ!!先生を付けなさいっていつも言ってるでしょ!それに、そんなとこを聞いてなさいって言ってるんじゃないのよ??」


なぜ、2人なのかというと……目の前の生徒鷲崎 璃来-ワシザキ リク-はとある教科を除いて全部のテストが満点っていう恐ろしく天才なんだけど、古典……私の担当科目だけ一桁っていう。


「私の教え方悪いのかな……」


「新米にしてはそんなことないと思うけど??」


「生徒にそんなこと言われたくもないし、言われても嬉しくないから!」


ずっとヘラヘラと笑いながら私を見つめる彼。いつも両脇に周りに女の子を置いてるだけあって高校1年生とは思えないほどの色気があるな。


「俺を見つめてどうしたの?惚れた?」


なんてナルシストな言葉を首を傾げて言えてしまうほどのイケメンなんだ。


「生徒は恋愛対象外なんで、ほらさっさとその問題とかないと女の子達待たせちゃうわよ」


「香帆ちゃん嫉妬?」