昼の雨

嫌じゃないのか。
僕は不安なんだけど。迷子とかなりそう。

「…………………………………。」
『家に人が増えるのは賑やかでいいことです』
か。
「君も、親の幸せを願ってる?」
彼女は頷く。
「それなら、いいのか……うん。」
僕は意を決して立ち上がる。
「行こう。謝りに。突然出て行ってすみませんって。」
彼女は僕を見上げた。きょとんとしている。
そんな彼女の手を引き、無理やり立ち上がらせる。

「行こう。」
顔を見合わせ、頷く。

部屋を出てから父親に何て言い訳をするかな。なんて考えて2人は部屋を後にした。