いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~



木目調の扉が吉原さんの手によって押し開けられた次の瞬間。

私は、固まってしまった。

室内を柔らかく照らす間接照明の下、ブラウンの楕円形の会議テーブルを囲む椅子に座っていた三人が立ち上がる。

中央には今日もスーツをかっこよく着こなすいち君。

その両サイドには、吉原さんとはタイプの違う美女が二人。

以前訪ねた時も綺麗な人が多いと思ったけど。


「どうぞお入りください」


いち君を筆頭に、企画部のこのグループは異常にレベルが高すぎると思う。

というか何?

いち君はいつもこんなハイレベルな美女たちと仕事してるの?

それなのに何でこんな平凡でちんちくりんな私にプロポーズ?

美女に囲まれて目がおかしくなってるんじゃないかと疑いながらも、どうにか笑顔を浮かべて名刺を交換。

仕事モードのいち君にも挨拶をした私は、気を取り直しさっそくプレゼンを始めさせてもらう。

企画書を配り、デザインの意図を伝える最中、花をモチーフにしたものについては花言葉の意味も説明した。

その時、それまで真面目だったいち君の眼差しが一瞬和らいだのに気づいて、私までつられるように口元を緩ませてしまう。

そうしていくつかのカンプを紹介し、中でも好評だったのは赤と白、二種類のアネモネの花をモチーフにしたものだった。