いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~



いち君の服が乾くまでの間に、私たちはひとまず夕食を済ませた。

付き合ってほしい場所というのがどこなのか。

それを聞いても、着いてからのお楽しみだと言われてしまい、私はまたもやオアズケをされてしまう。

とりあえず明日また改めて待ち合わせをして、と提案したのだけど、いち君はこれ以上私を悩ませたくないからと服が乾き次第出発しようと言った。

幸い、明日はまだ互いに休みなのもあり私は行くことを了承したのだけど、それは早く知りたいという気持ちがあるからだ。

車で二時間ほどかかるので、着く頃には日付を越えるだろうといち君は話した。

夜中でも大丈夫な場所なのか全く予想もできないまま、私はいち君と共に車に乗り込む。

あれほど強く叩きつけていた雨はすっかり止み、今は驚くほど綺麗な夜空が広がっている。

月までもが姿を見せて、雨に濡れた夜の街を淡い光を放ち優しく見下ろしていた。

高速道路を走ってどれくらい経ったのか。

いつのまにか寝てしまっていた私は慌てて背筋を正す。


「ごめんね、寝ちゃってた」


いち君は、チラリとこちらを見て微笑んだ。


「いいよ。可愛い寝顔見れたし。そういえば、寝言も言ってたな」

「えっ、なんて?」


以前、仕事に追われていた時期に自分で寝言を言いながら起きたことがあるのだけど、その時は『寝かせて!!』と寝てるくせに叫んでいた。

今回は叫んでなさそうだけど、幻滅されるようなことを口走っていないかヒヤヒヤしていると、彼はニッコリと笑う。


「いち君のことが好きって言ってたよ」

「嘘っ」


それはそれで恥ずかしい!

いやでもハンドルを握るいち君の様子をよく見れば、そこはかとなく笑うのを堪えてるような気がして、私は疑いに目を細めた。