いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~



「い、いち君が、その、運んでくれたの?」
「もちろん」


頷かれて、私は変な声を上げそうになり、けれど堪えてさらに確認する。


「み、見た?」


何を、とは言わなくてもいち君はすぐに察したようでニッコリと笑った。


「一応タオルで覆ったし、うつ伏せだったから大丈夫」

「そ、そう……」


仰向けだったら完全にアウトだった。

いや、お尻見られてるのも恥ずかしいけど、前よりマシだ。

うつ伏せに倒れた私、ナイス。

なんて安心したのも束の間。

今度は自分がバスローブを着ていることに気づき、再度確認しようとすれば、聞かれると思っていたのかいち君は頷いて「俺が着せたよ」と言った。

ひいいいい、とついに変な声が出てしまい両手で顔を隠す。


「なるべく見ないようにしたから」


そんな風に励ましてくれるけど、なるべくだなんて少しは見たと言ってるようなものだ。


「恥ずかしい……」


零すと、いち君は私の頭を優しく撫でると爽やかな笑みを浮かべる。


「まあ、そのうち見るんだし」

「そういうこと言わない!」

「じゃあ、俺のも見ておあいこにする?」

「しません!」


素早く、テンポよく突っ込んで行く彼は声に出して笑った。