いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~



パーカーを着て海に入ってはいけないというルールはない。

けれど、ラッシュガードではないので動き辛くなるだろうから脱いでおきたい。

しかし最後の勇気が出ない私は、しばし「どうする?」と首を傾げているいち君と見つめ合い……


「あ、あんまり見ないでね!」


お願いしてからパーカーのジッパーを下げた。

すると、いち君がパッと笑顔咲かせる。


「凄く可愛い。沙優に似合うよ!」

「あ、ありがと」

「スタイルだっていいじゃないか」

「だから見ないで!」

「はいはい。ほら、乗って」


子供を宥めるように大きな浮き輪んポンポンと叩いて乗るように促すいち君。

私は脱いだパーカーをパラソルの下に置くと、寄せる綺麗な海に足を濡らした。


二人で波の上に浮かんで、まったりと会話を楽しんで。

少しお腹が空いたので軽く何か食べようという話になった。

少し歩いたところにブッフェ形式の食事が並んでいるレストランがあり、そちらに向かうことに。

砂に足を取られながら歩いていた私は、パーカーを忘れたことに気づいて、繋いでいたいち君の手を離す。


「ごめん、先に行ってて。パーカー取ってくる」

「一緒に戻るよ」

「大丈夫! すぐに追いつくから」


それだけ伝えて踵を返し、人影がまばらなビーチを歩いて自分達が使っているパラソルまで戻る。

そして、ビーチチェアに掛けていたパーカーを羽織った時だ。