いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~



聖司は今のところみんなの話しに首を縦に振りながらジントニックに口をつけている。

私はみんな話を聞きつつ、いち君のことを考えていた。

帰った方がいいのだろうか、と。

でもゆっこも喜んでくれてるし、あまり早く切り上げるのも忍びない。

とりあえず聖司がいるのに黙ったままではいられないので、現状の連絡はしておこう。

決めると私はお手洗いにと立ち上がり、いち君にメッセージを送信した。

この前の元カレも誘われてたみたいでいるから、できるだけ早く帰るようにするねと。

対する返信はあっという間に届いた。


【ゆっくりしておいで。俺に気を使わないでいいよ】


本心なのだろうかと心配になる。

信頼してくれてるなら嬉しいけれど、どうするのが正解なのか悩んでしまう返信だ。

早く帰宅したなら、気を使わせたといち君を困らせるかもしれない。

一番いい方法は逡巡し、私は再びいち君にメッセージを送った。


【仕事もあるし、元々早く帰るつもりだったから大丈夫だよ。また連絡するね】


付き合ってはいない。

でも、そんな雰囲気のやり取りをくすぐったく感じながら、私は同級生たちのところに戻った。

そして、幹事メンバーは同窓会についての話し合いに入り、私はというと。


「で、沙優ちゃん、あの後どうしたの? 付き合うようになった?」


マドラーでくるくるとお酒をかき混ぜながら、聖司の質問攻めにあっていた。