いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~



「え、聖司って幹事なの?」


広めのボックス席に座り、ウェルカムムードのみんなに首を傾げて問いかけた。

ゆっこからの前情報にあった幹事メンバーリストに聖司の名前はなかったはず。

見逃したのかと思ったけど、聖司の名前を私が見間違えたりすることはまずない。

なんせ、聖司がいないならOKだと思って参加しているのだから。

なのに、彼はここにいる。


「俺はアンジーに声かけてもらったんだよ」


アンジーとは、安西君のことだ。

私は安西君とはあまり話したことはないけれど、高校の時、聖司と仲がいいことは知っていた。

時々、アンジーとセイジーなんてお笑いみたいに呼ばれている現場に居合わせたこともある。

「僕が呼びましたー」と、こちらに手を振って笑みを見せている安西君は、高校生の頃より少しぽちゃっとしている気がする。


「はいはい、沙優ちゃんは俺の隣ね」


聖司が自分の隣の椅子をポンポンと叩いて座るように促すけど、元からそこしか空いてないので仕方なくいわれるがままに腰を下ろした。

すると、私の真向かいに座っているゆっこが楽しそうに身を乗り出す。


「なになに、もしかして復縁?」


そんなわけないでしょと答えると、聖司は「俺、今ちょうどフリーなんだけどねー」なんてアピールしてきた。

でも、彼は昔からこんな感じで受け答えするので、周りも話に軽く乗ってくるだけ。


「お前ら付き合ってたんだっけ」


なんて誰かが言って、段々と懐かしい話題に花を咲かせていくみんな。