いとしい君に、一途な求婚~次期社長の甘い囁き~



「二人も食べてくれたんだ」


喜んでくれたとのくだりに、頬が緩む。

いつか二人にも会いたいなと思いながら手紙をしまい、さてと、と花言葉を調べようとしたところで本日二度目の着信音が部屋に鳴り響いた。

今日はよく電話が鳴る日だなと、ベッドサイドテーブルの上で充電しているスマホを手に取れば、表示されているのは久々に見る名前。


「ゆっこ、久しぶり!」


ちょっとテンションの上がった私の挨拶に、彼女の元気な声が答える。


『沙優! 久しぶり! 元気してたー?』


ゆっこは高校の時の同級生で、卒業してからもたまに会ったりしている仲のいい友人だ。

当時はバスケ部に所属していて、面倒見が良いお姉さんみたいな人柄は今も変わらずで、現在は結婚し、一児の母になっている。


「元気だよ。ゆっこはどう? 子育て順調?」

『イヤイヤ期真っ盛りで毎日ヘトヘトよ。だから、同窓会でストレス発散するつもり。沙優も行くでしょ?』

「あー、ごめん。私は仕事でパスなんだ」

『えっ、そうなの? 残念。会いたかったなー』