きっともう、私は高校に行くことがないだろう。
スクールバッグから出した通帳、開くと1000万と書かれていた。
お母さん……1000万も……。
けど、こんなんじゃ家を借りても、ほんの少しの間しか暮らせない。学校費も考えると難しい。なら、とりあえず高校さえやめれば。
私は、退学届を書き、校長先生に渡した。
「辞めちゃうのか、残念だな」
「まぁ……」
「そっか……」
少しだけ話してから私は校長室を出た。
「失礼しました」
この廊下を歩くのも最後か。親友にはなんて話したらいいのだろう。けど、しょうがないよね……。