契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました

「あの…なんの用事ですか?」

「あれ? 小沼さんから聞いてない? 外科から内科病棟に移る患者がいてね、その件で相談」

後ろ手でドアを閉め、わざとらしく口角を上げる先生に警戒心が募る。

「休憩室でお話ししてもよかったんじゃないですか?」

「そうだね。でも君には他の用事もあるから」

じりじりと壁際に追い詰められ、両側につかれた手で退路を塞がれた。

これじゃ逃げられない。

近づいてくる唇に、手を当てて顔をそらした。

「やめてくださいっ」

「大丈夫だって。
キスにとろけちゃえば、すぐ俺の虜になるよ」

何言ってるの、この人…

顎を持ち上げられ、背中に腕を回されて逃げられない。

「私、結婚してるんですよ!?」

「そうだねえ。
でも、俺にハマっちゃえば家庭は崩壊。
風間先生もかわいそうな末路になるね」

やっぱり悠さんを敵視してる…?

なんで…

考える暇もなく、有無を言わさず唇を押しつけられる。

「…やっ…めて!」