契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました

予約した部屋には、広いリビングスペースの奥にベッドルームがあり、窓は全面ガラス張りになっていて遊園地のイルミネーションがばっちり見える。

ソファに腰掛けてその景色を眺めていると、悠さんが隣に座った。

「楽しかったか?」

「はいっ、すごく」

「そうか。よかった」

ホッとしたように目を伏せる悠さんを見て、急に不安になる。

園内では悠さんもずっと笑っていたけど、もしかして私に合わせていただけだったのかな。

「悠さんは楽しくなかったですか…?」

「楽しかったよ。凛にはたくさん笑わせてもらったし」

悠さんは何の気なしに微笑む。


この関係がただの契約結婚だということを忘れているわけじゃない。

キスも、甘い言葉も、こんなふうに遊園地に連れてきてくれるのも、悠さんがただ私を幸せにしようと努力してくれているだけ。

なにも考えずその幸せに感謝していればいいのに、私はこれ以上なにを望んでいるんだろう。