契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました

しばらく園内のベンチに座ったまま夜のパレードとイルミネーションが始まるのを待った。

真っ暗になると、いつの間にかメインロードを光が照らし始める。

陽気な音楽が鳴ってパレードが始まり、虹のように色とりどりのライトがパレードの通る道を照らしていく。

「きれいですね」

「ああ」

道の端にできている人だかりよりも少し離れたベンチからの景色。

それがまた妙に現実感をなくして夢の世界へ誘う。

うっとりとそれを眺めていたら、また悠さんの指の握る力が強くなり、不意打ちで悠さんの唇が触れた。

「悠さんっこんなところでっ」

「誰も見てないだろ」

そう言われて周りを見ると、確かにみんなパレードに夢中で、こっちを見てる人はいない。

でも…だからってこんなところで…

戸惑っていたら、悠さんはまたゆっくりと顔を近づけてくる。

私はその長いまつ毛が閉じるのを見届けてから、目をつむってキスを受け入れた。

パレードの光が瞼の裏に映っては消えて、本当に夢の中にいるのかもしれないと思った。