「面識があるというのは?」

「え、えっと、中学の先輩だし…今は地元の町役場の窓口で働いてるから何度か顔を合わせてて」

「君は彼をどう思ってるんだ」

「あんまりいいイメージは…どちらかと言うと暗いタイプで」

「そもそも君自身に結婚願望は?」

「なくはないですけど、お見合いで決まるのはもう仕方ないって諦めてますから…」

この質問タイムはなんなんだろう。

なんで壁トンの体勢で言われているんだろう。

聞かれるがままに素直に答えてしまったけど、たたみかけるように追及されると戸惑う。

先生はふっと口元を緩める。

そして次に彼の口から出てきた言葉は私を大パニックに陥らせた。



「俺と契約結婚しないか?」


「…はい?」




…ということで冒頭の状態。