契約結婚なのに、凄腕ドクターに独占欲剥き出しで愛し抜かれました

「カクテル飲みたいなーって。
さっき行ったお店の2階、雰囲気よさそうだったから」

「おっいいじゃん」

ジャズが流れる薄暗いバーに入ると、カップルがたくさんいた。

賑やかな雰囲気で、ひとりで飲んでいる人はいないようだ。

北川がついてきてくれてよかったかも、とちょっとホッとする。

カウンターに隣り合って座り、それぞれモヒートとジントニックを注文した。

飲み物が届いて2人で再び乾杯。

「…で?なんかあったんじゃないの?
お前が飲み会のあと一人で飲み直すなんて初めて見たぞ」

「そうだっけ」

曖昧に笑ってみせるけど、北川はつられて微笑んでくれる様子もなく、じっと私の表情をうかがっている。