「莉乃ー。そろそろお家に帰るわよ。」

「うん!莉乃、あのお兄ちゃんのお歌好き」

「そうね。ママも好きよ」

「ママ!また、聴きに来ようね!」

「えぇ、いいわよ」

あの時、まだ10歳だった私。

それでも、鮮明に覚えてる。

彼方の音が私を魅了して離さなかった事を…