着慣れた制服を身につけて
低い位置で結んだ髪をなびかせながら
春山 希子は慌てて家を飛び出した。

「どーしよう!
 新学期から遅刻は恥ずかしいよー!」

「はぁはぁ、ま、間に合ったー。 
 えーっと私のクラスは…。」
息を切らしながら、クラスを確認した希子。

「希子!同じクラスだよ!3組!」
「姫ちゃん!ほんと!?やったー!」
姫は1年の頃からクラスが一緒の女子だ。
「結城くんとも一緒だよ!」
「え…そ、そうなんだ!」
希子と姫は会話を交わしながら、新しい教室へと向かった。

「希子〜!また同じクラスだな!」
「理人…」

結城理人 2年のときに同じクラスになり仲良くなり、家の方向が同じということで下校を一緒にしている男子だ…。

「わ、私女子と話してくる」

3年に上がる前、理人に好きな人ができたと聞いて、私は理人が好きなんだと気づいてからなんか、気まずくなっちゃって一緒に帰ることがなくなってしまった…。