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何も言えなくなった。
隆平にとって大切な家族。あたしにとって大切な仲間。想像もしなかった現在に乗せる感情がなかった。

「麻衣、泊まってく?泊まれないなら送るけど」

「泊まってていいの?」

後ろ向きで隆平が頷いた。

「傍に居て欲しい」

肯定も否定もできなかった。
自分の立場に置き換えて考えて、一人にしておけない。そう思った。

だから、後ろ向きのままだった隆平を静かに抱きしめた。
やっぱり身長差は変らなかったけど、温もりよりも違うものを感じた。