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[あの時]より、怖くなかった。

久しぶりにお邪魔しても、家族はあたしのことを覚えてくれていて、丁寧に案内されたのを覚えている。
座って、モノクロの写真の中にいる駿平を見つめた。
不思議なくらい冷静だったあたし。

「突然申し訳ありませんでした」

駿平のお母さんが言った。あたしは頭を下げて、必死に言葉を探したけど何も見つからなかった。
隆平が言った。

「麻衣、駿の部屋行こう」

気を使ってくれたのか、プランなのかは分からなかったけど、あたしはそのまま隆平の後を追った。

「りゅうちゃん」

「ん?」

「駿平は……」

「ごめん!」

話そうとした時、続きを止められた。

「ごめん、今は何も聞きたくない」

「ごめん」