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隆平の車の助手席に乗り込む。

「久しぶり」

「久しぶり」

そのまま返した台詞に感情を乗せられていたかは分からない。

長い道のり、聞きたいことは沢山あった。聞き出せなくてずっと窓の外を見ていた。隆平は気を使ってインターで降ろしてくれて、無言で渡してくれたブラックの缶コーヒーの味が口に残ったのを覚えている。
ブラックコーヒーの苦い後味を変換した。

「ねえ、りゅうちゃん」

隆平は何も言わなかったけど、あたしは続けた。

「駿平はさ、人の悩みに入り込んできて、自分のことのように悩んでくれる人だよね?そのくせひとりで抱え込んじゃう人だよね?」