君の好きな人になりたい

公園に着くと珍しく人がいなかった。


小さい頃から見慣れた公園。
ブランコ、砂場、滑り台、鉄棒が並んでいる。

私達は近くのベンチに腰掛けた。



「どれがいい?」

そう言って袋の中のお菓子を中村君は膝に広げた。


「迷うなぁ、んー」


「優柔不断なんだね。俺すぐ即決しちゃうタイプ」


「凄い優柔不断だよ、私。よく悠人とか恵に早くしてって急かされるんだよね」


「ゆっくり選んでいいよ」



「んー、じゃあドーナツ、あーでも、シュークリームもいいなぁ」



私が優柔不断過ぎたのか中村君はクスクス笑って「じゃあ半分こしよ」そう言って私にドーナツとシュークリームを半分くれた。