家に帰る途中も俺はずっと
あの子の事が 頭から離れなかった。

とうや(ったく。なんなんだよ。)

家なんかに女入れるとか
今までそんな事なかったし。
ってか、入れたの母さんなんだけど、…
絶対 母さん、勘違いしてる。
早く帰って 説明しなきゃな。

とうや(ただいま)

とうやの母(おかえり!ちゃんと送ってきてあげた?)

とうや(そ、それより 勘違いすんなよ、
あの子 別に彼女とかじゃないから!)

とうやの母(え〜 違うの?!それじゃあ〜
とうやが あの子のこと 好きなの?!)

とうや(は…ぁ。違う…違う。)
俺は 断固否定した。
すると…

さき(ねね〜お兄ちゃん〜!さき
あのお姉ちゃんの事大好きになった〜!
優しいし 可愛いし〜 ねぇ!また連れてきて〜
お願い〜〜!!!)

とうやの母(本当!また連れて来なさいよ〜
あんなに 気遣いもよくて 愛想も良くて
ママも気に入っちゃった!♡)

どうやらこの二人は あの子の事が
だいぶ気にいったみたいだ。

まぁ。確かに… 悪い子ではなさそうだけど…

さき(ねね〜お兄ちゃんってば〜)
そう言いながら さきは とうやの手を握ると…

とうや(痛っ"")

さき(お、お兄ちゃんー!どうしたの!
手から血が出てるよー!)

ん…?? あ… さっきのか。

さき(早く 消毒しなきゃ!!)

とうや(どうってことないよ)

さき(ほんとに?)

とうや(あぁ、。)
そう言いながら とうやは さきの頭を撫でて
部屋に戻った。

・"バタン…" ドアを閉めた

俺は手の傷を見つめ ふとまた あの子を思い出した
名前なんだっけ。
「りあ」
だったか。
ふん…。何考えてんだか。俺わ。

とうやは パソコンへと向かって
さっき 流してた曲をまた流し始めた。

この曲 あの子も 好きって言ってたな。

流れる曲の中で 俺の頭はいつの間にか
りあで いっぱいになっていた。

とうや(まさかな…。)

とうやは 窓の外を見上げた。

思うことは一つ。

"早く明日にならないか"

そのあとも 窓から見える夜空を見上げていた。