俺を好きにならないで

「そこのケーキ屋さん美味しいよ」



深見くんはきっとただ単にケーキが食べたくてでそう言ってくれてるんだよね?


そんなつもりじゃないと頭では分かっているのに何かあるんじゃないかと思う私。



「大丈夫。俺の両親いるし、姉貴もいる」



私の気持ちを察してか、深見くんがそう言った。


考えを読まれていた。


穴があったら入りたいくらい恥ずかしい。


というか、家に両親やお姉さんがいるってことは深見くんのご家族に会うってことだよね?


なんだか緊張してきた。


私ちゃんとしてるかな?


良い印象を与えなきゃ。



「行こう」



繋がっている手を引かれて、私は彼のあとについて行った。