「どうやってその2人にたどり着いた?」




私はそう聞いた。




しばらく黙って居たが、安藤が口を開いた。




「まず、その火事で生き残ってた子供を探し当てて、そこから本川にたどり着いた。」




私のこともいろいろ探っていたのか。




警察官だからやめたのか、そんなことを思い、安藤の話の続きを聞いた。




「でも、その名前にたどり着いても場所までの特定には至らなかった。何しろ18年も前だし、誰も電話番号でさえ、知らなかった」




そうだろう。



誰もあの時のことなんか、思い出したくもないだろう。




あの時、微かだが、みんなの叫ぶ声が聞こえてた。




消防車と救急車を待つあの時間はみんなで恐怖に怯えながら過ごしていた。




わずか数分だったのに長く感じた。




徐々に火が大きくなって明るくなるのもわかった。




あの時はみんなで泣いていた。



それなのに住所なんて聞けるものか。



そう思った。